ことばのオモシロ雑学!

知って楽しく、愉快で、役に立つ言葉の雑学。知ってるようで知らなかった話の宝をどんどんアップしていきます。

『糸を引く』って? 

糸を引く?

について書いてみました。

 

そもそも何のための糸?

 

『糸を引く』という言葉には

全く中身が違う、二つの意味が

あることをごぞんじでしょうか?

 


この『糸を引く』の意味で、

最初にどちらの方の意味を思うかで

その人の出身地がわかるらしい?

(真偽のほどは???)

 

食べ物としての意味

 

食べ物としての意味でいくと、

食べ物が粘り気を増してくることを

『糸を引く』といいますよね。

 

 

その代表的なものとして

納豆が挙げられます。

 

納豆をかきまぜると、

どんどん糸を引いて

いくわけですが、

 

ちょと余談、

 

今から約700年ほど前、

時は室町時代の初期頃、

 

宮中に使える女性(女房)

たちによって使われ始めた、

女房ことば(=御所ことば)

 

というのがあり、

そこでは、

 

納豆のことを、

『糸』とか『糸引き』

と呼んでいました。

 

 

この『糸を引く』の意味を、

納豆として感じた人は

 

納豆に抵抗のない、

納豆好きでよく食べる

東日本出身の人かもしれません。

 

 

操り人形を動かす糸

 

『糸を引く』の意味として、

 

裏から人を操ることも

『糸を引く』といいますが、

 

こちらの方に意識が行く人は、

あまり納豆を食べない西の方の

地域の人かもしれません。

 

この 、

裏から人を操ると

いう意味の『糸を引く』は、

 

納豆とは、全く関係なく

操り人形を操る糸の事を

指しています。

 


操り人形を動かすときは、

人形師の身体や手足などの

部分に糸を付けそれを引いて

 

操り人形を動かしていきますが、

そこから、

 

人を裏から操ることを

『糸を引く』というように

 

なっていったと言うこと

のようです。

 

 

 

 

【げんをかつぐ】の意外な意味とは?

【げんをかつぐ】の意外な意味?

について書いてみました。

 

突然ですが、ことばの言い回しに、

普通の言葉の言い方を、

逆さまに言って、

 

隠語としてつかわれている

「倒語(とうご)」

というのがあります。

 

 

例えば、

てぶくろ➡︎を「ろくぶて」

と言ってみたり、

 

おんなの人のことを「ナオン」

なんて言ったりする事ありますね。

(今はあまり言わないかも?汗)

 

この逆(さかさ)読み、

 

昔、音楽で言うところの

ジャズ業界、

 

米軍キャンプなどを営業で

回っているジャズバンドの

バンドマンたちの中から

 

 

ジャズを➡︎「ズージャ」

と言って

 

逆さに読んで楽しむことが

流行りだし、

 

この言いまわしの現象を

「ズージャ語」と呼んで

いました。

 

 

サザンオールスターズの楽曲

c調言葉に御用心」の歌詞に

 

「あ ちょいとc調言葉にだまされ〜♪」

ってフレーズがありますが、

 


この「c調(しーちょう)」

という言葉は、

 

お調子者 という意味の

「調子いい」

ハ長調(c調)をかけて、

 

いい加減で軽く、

調子のいい事ばかり

 

を吹聴する人の事を

指しています

 

また、

 

ヤクザ映画のセリフや、

アウトロー(表じゃない方の社会)

 

で使わてれる「トーシロ」

という言葉は、

 

(素人(シロウト)=一般人)に

解らないようにするには

重宝した言葉でした。

 

1980年代後半、

 

東京の六本木(ロッポンギ)を

➡︎「ギロッポン」と呼ぶ人たちも

でてきました。

 

実は、こういった逆さ言葉、

昔は、賭け事が生活のため

の仕事だった、

 

 

博徒(ばくと)の人たちの

世界で使われていた言葉で、

 

例えば、

 

「場所(ばしょ)」のことを

「ショバ」と言ったり.....

 

その中から、博徒(ばくと)の

世界だけではではなく、

 

一般社会でも使われている

言葉が生まれていきました。

 

 

【げんをかつぐ】

もそのひとつ。

 

【げんをかつぐ】は、

運を左右する意味の、

 

吉凶に関わることで

使われ、

 

この「げん」を

「霊験(れいげん)」の

 

「験(げん)」だと

思っている人も少なく

ないのですが、

 

 

本来はそうではなく、

もともとは

 

「縁起(えんぎ)」のことを

指していたのです。

 

この「えんぎ」のことを、

逆さまにすると、

「ぎえん」になり、

 

 

江戸時代、大阪や京都で、

「えんぎ」をひっくり返して

(ぎえん)、(ぎえんをかつぐ)

 


という言葉になり、

それが発音しやすい

ように

縮まり

 

【げんをかつぐ】という

 

言葉になって、日本全国に

広まっていったというのが、

 

【げんをかつぐ】のはじまり

だったのです。

 

「さじを投げる」 って誰が投げたさじ?

「さじを投げる」について

書いてみました。

 

 

元は誰が投げた「さじ」?

 


受験生が問題集を解いて

いるときや、

 

はたまた、

 

新しい分野への新開発など、

今まで全くなかった事に

チャレンジしているとき、

 

 

難問題にぶち当たり、

どうにもこうにも

いかない場面に

 

遭遇すると頭を抱える

ことになります。

 


そして、さんざん考えても

全く出口が見えてこず、

全然わからない......

 

そうなった時、

とうとう

「さじを投げる」

 

ことになり、今回は、

無理だと見切りをつける

ことになります。

 

さじを投げたのはお医者さん?

 

この「さじを投げる」

という言葉、もともとは

日本の医療の世界で、

 

生まれた言葉であり、

医療現場のお医者さんが

使っていた言葉でした。

 

自分で薬を調合

 

機械や化学薬品など、

まだまだ全く存在

しなかった

 

その昔、

 

お医者さんたちは、

自分で調合した薬

 

を使って患者さんを

治療していました。

 

この時薬を調合する際、

その薬の分量を、

もちろん手作業で、

 

さじで測って

調合していたのです。

 

 

そして、ある時、重症な患者さん

が運び込まれてきたとき、

 

 

もう何をやっても

手の施(ほどこし)ようがなく、

助かる見込みが

 

 

ほとんどない時は、

薬をつかっても、

もうムダとなります。

 

 

薬を使っても治癒せず

助からないなら、

薬もムダで、わざわざ

 

薬の分量を、

「さじで測って」も

意味がありません。

 

 

お医者さんは、

「この患者さんにはもう薬を

調合することは必要ない.....」

 

 

残念ですが、「さじを投げる」

と言うことになったのです。

 

【まとめ】


元々は医療の現場で

使われていた言葉

だったのですが

 

お医者さんが、

この「さじを投げる」

という言葉を使う時、

 

自分が診た患者さんが

亡くなってしまうと

 

いうことは、とっても、

辛かったのかもしれません

 

 

 

『上っ調子』って?

上っ調子(うわっちょうし)

について、書いてみました。

 

【上っ調子

(うわっちょうし)】


【三味線(しゃみせん)の

合奏に彩りをそえる伴奏】

 

 

あれこれイロイロと調子や都合の

いい事を言うわりにいざ実際に本番

というときになると、全く役にたたず

 

約束を守らない!

なんていう人が時々

いると思いますが、

 

 

そういう人をさして、

「上っ調子(うわっちょうし)」

のいいやつ.....って

呼んだりしますが、

 

 

そういうお調子者の

輩(やから)とは、

 

ホントつきあいたくない

ものですよね。

 

 

しかし、元々の

「上っ調子

(うわっちょうし)」

という言葉は、いまで言うほど

 

そんなにひどい意味では

なかったようです。

 


この

「上っ調子

(うわっちょうし)」

という言葉、

 

元々は

 

「上調子

(うわぢょうし)」

といい、

三味線(しゃみせん)

 

 

の演奏会などで

使われていた

言葉でした。

 

【歌舞伎の伴奏】

 

江戸時代からつづく、

歌舞伎(かぶき)

ですが、

 

舞踊りの伴奏

(ばんそう)

音楽として

よく知られてれている

所には、

 

常磐津(ときわず)」

「清元(きよもと)」という

 

一派(グループ)が

有名です。

 

 

この

 

常磐津(ときわず)」

「清元(きよもと)」

 

などが三味線の演奏 の際、

 

今風に言えばセンターで

中心となって演奏する

三味線(しゃみせん)の

 

 

人たちと、あと、

 

サイドやバックで補助的に

三味線(しゃみせん)演奏をする

人たちで構成されいて、


このコラボで三味線

(しゃみせん)

の合奏が演奏される際、

 

中心になっている

センターの三味線

(しゃみせん)の人達

 

よりも

 

もっともっと

非常に高い音域の音

をだして、さらに

 

その高い音域の音を

維持しつつ、

 

かつ

 

そのなかで音の高い低い、

メロディーの長い短い

をだす三味線

(しゃみせん)

 

を担当する人達が

いました。

 

 

それによって合奏に

変化と彩(いろど)りを

添え、より楽しんでもらおう

というものでした。

 

 

こういう役目の

三味線(しゃみせん)

のことを

 

 

「上調子(うわぢょうし)」

と呼んだのです。

 

【お客の反応】

三味線(しゃみせん)演奏に

上調子(うわぢょうし)の

 

三味線(しゃみせん)が

コラボされると、

 


演奏に華(はな)が加わり

更に楽しめる!と感じる人が

いる一方で、

 


なんだか軽薄(けいはく)で

落ち着きのない演奏で今ひとつ.....

 


と受け取るひともいたのです。

 

【まとめ】

 

そんなことから、

表面だけの調子の

いいさまを

 

「上っ調子

(うわっちょうし)」

というように

なったのです。

 

『おめおめ』するって、どこから生まれた言葉?

『おめおめ』する!について書いてみました。

 

 
『おめ』って何のこと?

 

 テレビドラマや時代劇などで

主人公がひと旗あげようと

周りの反対を押し切って

 

 勢いよく故郷(こきょう)を

 飛び出したのはいいが、

 

 思ってた以上に

上手くいかず、

いきなりヒョッコリ

帰ってきて

 

 

『今ごろおめおめと

帰ってきおって.....』

なんて言われているシーンを

 

 

見たことが、一度や二度

はあるかと思いますが、

 

 

 実はこの、

『いまごろ、おめおめと

帰ってきて....』

 

 

『おめおめと』

 

なんですが、

 

恥を恥とは思わない、

思えない様子のことを

 

 「おめおめと」

表現していました。

 

 

これはある意味、

 

 「この恥知らず・・!」

って、いわれているのと

同じ意味になります。

 

 

 こういうような表現をする

副詞には、

 

同じ音(響き)

する言葉を並べた

ものがあり、

 

 例えば、

 

 「よくよく」とか

「なかなか」とか

「ながなが」なども

 

 

その仲間で

 

 

『おめおめ』も

「おめ」が

 

二つ重なって生まれた

言葉になります。

 

 

 弱腰、気後れ(きおくれ)、

怯む(ひるむ、)こと?

 

その昔、

 

弱腰で 気後れ(きおくれ)

したり、ひるんだり

することを、

 

 

『恐む(おむ)』

   と

言っていたのですが、

 

 

そこからこの言葉を

二つ重ねた

 

「おめおめし」と

いう形容詞が生まれ、

 

昔はこういう時に、

こういう言葉が、

 

 

よくつかわれて

いたようです。

 

 

そして

 

 

さらに、そこから

「おめおめ」という

副詞に派生して、

 

 

恥を恥とは思わない、

思えない様子の事を現す

表現として、

 

 

この言葉が

 現代に生き残った。

というわけです。

 

 
【まとめ】

 
昔から使われてきた、

『おめおめと.....』

という言葉ですが、

 

 実際の現代生活のなかで

使うことはめっきり

少なくなってきた

 

 という感じはありますが、

 テレビや映画の世界では、

 

まだまだ何かのおりに

使われているようですね。

 

『こけんにかかわる』について

ことばの根元!

こけんにかかわる

について書いてみました。

 

『こけんにかかわる』

 

土地や家を売った時の売買契約証書が、「こけん」

 

 

我々日本人は、土地に対する

思い入れが非常に強く、

 

深く思い込んでどうしても

忘れ切れない国民性があり、

 

 

さらに言えば、これまでの

日本経済は長らく、土地本位制

などとも呼ばれてきました。

 

 

たしかに我々日本人が古来、

土地の所有権を重要視してきた

 

 

ことは疑いようのない事実であり、

それが言葉にも表われています。

 

 

今回の表題である この、

こけんにかかわる

 

 

という言葉もその

表れのひとつ。

 

 

たとえば、

 

 

「世間の人に合わせる顔」

 

「体裁(ていさい)

 

「体面」

 

「人の値打ち」

 

など

 

 

ひとの面目(めんぼく)に

かかわることを

 

 

こけんにかかわる

といいますが、

 

 

この「こけん」という字、

実は「沽券(こけん)

と書きます。

 

 

『こけんにかかわる』

はいつから?

 

 

時は江戸期、日本において、

家や、土地など

家屋敷を買いたい人には

 

 

町役人や五人組が立ち会いを行い、

その元で実際に土地や建物など

家屋敷の売買が完了したときに

 

 

 

売買契約書である、

沽券(こけん)」と呼ばれていた

証書(書類)が作成されていたのです。

 

 

 

また。「沽券(こけん)」は、

土地の権利証としての機能も

持っていました。

 

 

ちなみに、

 

 

「当時、お家や、土地など、家屋敷を

売ったり、買ったりすることは

普通の一般庶民には、ほぼ皆無で、

 


またその他、そこそこの地位の

ひとたちでも、一生に一度

 

 

あるかないかの

ビッグプロジェクト

だったようです。

 

 

 

はなしをもどして、

 


沽券(こけん)」は、

 

 

正式な売買契約書であり、

その土地の内容(情報)

に関する細かな事がらの他に

 

 

土地を売った時の

売買金額(代金)も

記載されていました。

 


そのため、「沽券(こけん)」は、

その土地の価値(値打ち)を証明できる

非常に大切な証書(書類)だったのです。

 

 

このことから、

 

 

「世間の人に合わせる顔」

 

「体裁(ていさい)

 

「体面」

 

「人の値打ち」など

 

ひとの面目(めんぼく)にかかわることを

 

 

沽券(こけん)に関わる

こけんにかかわる

 


という、習慣とした使い方で、長い間

広く世の中で使われる言葉となり

現代に至っているのです。

 

 

【ちょっと余談】

 

 

当時は、火事が非常に多く、

 

(消防車なんて、もちろん

ありません。一旦火事が

出れば、ほぼ全焼〜)

 

 

お家(家屋敷)などが、しばしば

消失するということがよくあり、

 

売買契約書である

沽券(こけん)」に

 

 

お家(家屋敷、建物)に関する内容(情報)は

書かれてれていませんでした。

 

 

【まとめ】

 

さすが、土地本位制の国と言われる

日本だけあって、土地や家屋について

の証書(売買契約書)が、

 

 

いつしか人々の体裁や面目、

品位を表す言葉になっていったと

いうのは、さすが日本!

 

だと思います。。

 

『ごたくを並べる』について

ことばの根元!

『ごたくを並べる』

について書いてみました。

 

 

「 ごたくを並べる」

 

本来は神様のお告げだった?

 

 

ある事で都合が悪くなったとき、その相手がクドクドと言い訳したり、弁解したり、屁理屈を言ったりしている時は、「いちいちごたくを並べるな」と言いたくなる時がありますよね。

 

 

 

でもしかし、そんな時ってプチトラブルみたいな時であり、ましてやそんな時、そんな相手に尊敬の気持ちなんてあるわけないですよね?実は、そんな相手に向かって「ごたくを並べる」ということばを使うのは、ちょっと考えものなんです。ってこと知ってました?

 

 

 

実はこの「ごたくを並べる」の「ご た く」という言葉の語源をたどると、本来はむしろこういうプチトラブルっぽいような時は避けるべき 言葉なんです。

 

 

 

「ご た く」は、神様からのありがたい「お 告(つ)げ」である、「ご 託 宣(ご た く せ ん)」を省略した言葉にになります。

 

 

 

なんですが、ではなぜ?本来ありがたいはずの言葉である「御託宣(ごたくせん)」➡︎「ご た く」なのに、マイナスのイメージを連想させる意味の「ごたくを並べる」になってしまったのでしょうか?

 

 

 

マイナスイメージには訳があった

 

 

 

昔、神様からのありがたいとお告げは、神主さんなどの口を通して「ご 託 宣(ご た く せ ん)」、

として告げられていたのですが、その時ほとんどの神主さんから、まずはながながと前置きが始まり、

(ほぼ、お告げとは関係ないこただったらしい)

 


そのあまりの長さに、ありがたい「ご 託 宣(ご た く せ ん)」を頂きに来ていた人たちは

うんざりして、いやになり、ついにあるとき

 


「いちいちごたくをならべんでいいから、さっさとお告げをいわんかい!」

と言ったかどうかは定かではありませんが、

 

 

 

「ごたくを並べる」は、自分勝手に長々としゃべるさまという意味になっていったということです。

 

 

 

【まとめ】

 


元々はありがたいと神様からのお告げのことだった

「ご託宣(ごたくせん)」➡︎「ご た く」

 


いまとなっては、マイナスイメージの言葉になってしまい、神様もうんざりしてるかも

しれませんね。